戯曲梁祝 戊子盛夏梦羲題記




日本で初の、戯曲「梁祝」舞台公演に向けて


戯曲「梁祝」作者/古野浩昭の日誌

梁祝文化研究所
戯曲「梁祝」舞台公演実行委員会(鎌倉市日中友好協会、神奈川県日中友好協会会員)
「梁祝」日誌17

最後までヤキモキさせていた原稿が届いた。識者による「梁祝」公演に向けた推薦文 / メッセージ。これで9月3日に予定している記者発表用の資料がすべて揃った。推薦文 / メッセージは全部で4本。来週早々、横浜及び在京の報道各社と日中交流関係団体計35社に案内文(プレスリリース)と併せて発送できる。‘縛り'(embargo )はかけない。

最後の原稿は、桜美林大学の小熊旭准教授が書いてくれた。私の大学時代の友人で、外務省外郭団体の国際交流基金で主に日中の文化交流に携わってきた人物。北京の日本大使館一等書記官や、浙江省・杭州の浙江工商大学客員教授として得意の中国語を駆使、中国の一般市民や学生と直に付き合ってきた。

他に、元北京外国語大学教授で、現、東洋大学教授の続三義教授、梁祝文化研究所の渡辺明次所長、日中文化交流研究所の段躍中所長の3人から寄稿していただいた。続教授は‘中原'の山西省出身、中国語(言語学)の権威、渡辺所長は、中国語の小説「梁山伯与祝英台」を邦訳(戯曲「梁祝」の底本)したほか、関連の「梁祝」文献書の著者。段所長は、インターネット新聞や出版物発行などを手掛ける日本僑報社の編集長だ。最近、外務省から日中交流に永年、寄与した功績で外務大臣表彰を受けた。

四人の推薦文 / メッセージは以下の通り。
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「梁山伯祝英台伝説の真実性を追う」を書き上げた私は、「梁祝愛情故事」を正しく日本に紹介し根付かせようという目標をたて趙清閣の小説「梁山伯と祝英台」を、その作者の生い立ち、若き日の容貌に心惹かれ翻訳出版した。古野氏がこの小説をベースに戯曲を書き上げた。私の壮大な目標は珠玉の華を咲かせようとしている。この戯曲公演が種となり梁祝の化身した蝶が美しい翼を以て日本各地を飛び舞うことを願っています。
梁祝文化研究所所長  渡辺明次

中国留学体験をもつ古野浩昭先生が「紹興日記」(日本僑報社発行)を刊行され、多くの読者から関心を集めています。この本には、留学時代に綴った「紹興日記の35編」及び付録「江南の旅」とともに、中国4大民間口承伝説の一つで、1600年以上の昔から多くの中国人に愛されてきた悲恋物語「梁山伯と祝英台」をテーマにした「戯曲・梁祝」などが集録されています。著者は、神奈川県日中友好協会など各方面の協力を得ながら、「中国民話劇梁祝公演実行委員会」を立ち上げ、この度、見事に舞台公演を実現されることになりました。非常に喜ばしい限りで、公演の成功を心から祈念申し上げます。報道記者として多彩な経歴をもつ著者が、新たな視点・感性をもってこの有名な戯曲を新劇(話劇)形式の舞台公演として実現したことは、日中文化友好交流に清新な風を注ぐものとして注目されています。必ずや両国の文化交流に大きな話題を集める演劇として高く評価されるものと確信し、推薦致します。 
日中交流研究所長 段 躍中

恋物語は大体、真、善、美のあるべき姿をぶち壊していく過程を語るものらしい。悲劇としての恋物語は普通、その壊された結末で終わっている。美しく悲しく、ぶち壊されていく梁山伯と祝英台との恋は、二人があの世に行き、一対の胡蝶となって新たに展開されていく。「梁祝」は、中国民間四大恋愛物語のひとつでありながら、この点、より多く語られ、内容も他と違うところである。これまで日本ではあまり知られていない「梁祝」(中国版「ロミオとジュリエット」、英国版よりずっと完成度が高い)は、関係者の努力により新劇(話劇)の形で日本の方々にご披露できるようになった。関係者のご努力に敬服の意を表すと同時に、中国と日本の草の根の文化交流の一つの新たな試みとして、ご成功を心からお祈りして、ご推薦する次第である。
東洋大学教授(元北京外国語大学教授) 続 三義

‘温故知新'から文化発信へ ―  本年2009年10月に、中華人民共和国は慶祝すべき建国60周年を迎える。私は、これまで約30年にわたり日中文化交流の現場の仕事に携わってきたが、従来の音楽・舞踊・演劇等の分野における日中間の公演交流活動は、その特徴として、歌舞伎・京劇等のように大々的な華麗な舞台芸術集団によるものが歓迎されてきた。このたび初公開される日本版話劇「梁祝」は、対照的に、日中友好に情熱を燃やす有志仲間による、創意工夫を凝らした手作り公演である。中国で古くから庶民に親しまれてきた物語の舞台を古都・鎌倉に移し、遥か時空を超えて、尊い‘人間愛'を高らかに謳い上げている。 『論語』に「故きを温ね新しきを知る」とあるように、この舞台は、閉塞感漂う現代の日本人の心に、必ずや一筋の光明を差し込んでくれるだろう。日中間でこの‘文化遺産'を共有し、共鳴し合う機会を得ることは、グローバル化時代における日中の協調共生の道をさらに拓くうえで、礎を築く一歩となるに違いない。
桜美林大学准教授(浙江工商大学客員教授) 小熊 旭

集まったメッセージにより、報道各社に多少なりとも日本における「梁祝」公演の意義が分かってもらえれば、と願う。「梁祝」実行委は公演当日、四人の先生をご招待し、本邦初演の芝居をたっぷり楽しんでいただきたい。

注 . 渡辺先生は9月から湖南省の湘潭大学で日本語の講師として赴任予定で、観劇できない見通し。

(続く)
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