7月に入った。4日(土)、鎌倉で立ち稽古。梅雨曇りのこの日は、東京から「梁祝文化研究所」の渡辺明次所長や、同研究所北京駐在員の正谷絵美さん、書道家の塚超誠さんら関係者10人ほどのお客様が稽古を参観。午後7時から、4階大きめの第6集会室でゲストも交えて共に発声練習、柔軟体操。続いて前回稽古
の‘立ち'の続き。今月からは毎週土曜日、週1の稽古だ。稽古場に初めて、まとまった数の‘客'が座り、演出にも気合いが入る。
1時間後、予定の参観が終わり、渡辺所長からコメントをいただいた。「私が原作の小説を翻訳し、(筆者に)戯曲にしていただいた。書いた文字が台詞の一部となって、懐かしい思いです」−。俳優の演技については、祝夫人役(大隅美和子)に触れ、性格描写が難しい。娘、英台の悩みに同情する母親の愛情、由緒あ
る家風、中国の伝統をひたすら守る夫に仕える妻の立場、アンビバレントに悩みながらも、やがて英台の大きな幸せを願うこころとなって、頑なな夫をも動かしていく。そういう母親の役作りが欲しい―。これは、難題だ。が、このコメントは、演出に対する注文でもあり、これからじっくり‘熟成'させていきたい。
 8時半、鎌倉駅前の居酒屋でお客様の懇親会に参加。稽古場とは打って変わった和やかムード。北京から所用で実家の相模原に一時滞在中の正谷絵美さんからも励ましの言葉。「みんな熱心。楽しませていただきました。「梁祝」の日本初演を成功させ、北京でもやってもらいたい。北京の日本大使館は、「梁祝」公演に
きっと協力してくれるでしょう。在北京日本人会には、約1000人以上の会員がいます。駆けつけてくれるでしょう。馴染みの北京外国語大学も(公演会場などの面で)動いてくれるかも」と嬉しいエールを送ってくれた。まずは鎌倉公演を成功させたい。その成功の中身とは?観客動員と、観劇後の客の反応。これ以外にあるは
ずがない―。
今週末(7月11日)の土曜は鎌倉、翌週18日(土)は大船で稽古。大船では、上海出身の中国語教師、丁先生を東京から招き、中国人女性の伝統的な礼儀作法、身のこなし方、台詞に出てくる中国語の発音指導などをお願いする。
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